小さな小鳥さんへ

人生に迷っていた17年前に書いた詩そして新しい人生を歩み始めて17年後に書いた詩

小さな小鳥さんへ#33

小さな小鳥さんへ

 

あなたは私に言いました

''一人で飛びたい''と

''手を差し伸べてほしくない''と

 

''あなたに頼って飛んだなら

あなたが一人で飛べない僕にいつか愛想をつかし

つないでいたその手を離し

あなたは一人飛んでいってしまうから''

 

''あなたがたとえ手を離さなくても

自分がいるとあなたは自由に飛ぶことができず

好きな場所で飛ぶことができず

でもそれを隠し

あなたはまるで自由に好きな場所で飛んでいるかのように振舞うから''

 

あなたはそれが怖くって

そんな悲しい気持ちを抱えていて

一人飛ぶつもりでいたんだね

 

小さな小鳥さん

 

あなたにとって私はどんな存在だったのでしょう

 

あなたにとって私は

一生懸命飛ぶんだと

頑張ってあきらめずに飛ぶんだと

一緒に飛びたいんだと

私を頼ってくる可愛いあなたのその手を離す

そんな存在だったのでしょうか

 

あなたにとって私は

飛びたい場所ではないけれど

自由に飛ぶことは出来ないけれど

私がいないとあなたは一人で飛ぶことが出来ないからと

あなたを哀れみ同情し、自分の気持ちに嘘をつき

あなたと一緒に飛ぶことを選ぶような

自分を偽って生きる存在だったのでしょうか

 

小さな小鳥さん

 

私は私を頼り、一生懸命飛ぶ努力をするあなたの

その手を離すことはありません

 

私は自分に嘘をつき

自分の飛びたい場所をあきらめて生きることもありません

 

あなたが一人で飛べるまで

私はあなたとつないだその手を離さずに

一緒に飛んでゆくでしょう

 

私達が共に飛ぶのならば

どちらかの飛びたい場所で飛ぶのではなく

私は私達の飛びたい場所で飛ぶのでしょう

あきらめずにその場所を探すでしょう

二人が生きていきたい場所を探すでしょう

 

小さな小鳥さん

 

悲しまないで

不安にならないで

 

不安になることもあるけれど

どうか不安な気持ちを一人で抱えずに

その不安を私に伝えて

私は一生懸命

あなたのその気持ちに答えるから