小さな小鳥さんへ

人生に迷っていた17年前に書いた詩そして新しい人生を歩み始めて17年後に書いた詩

小さな小鳥さんへ#50

小さな小鳥さんへ

過去の私が叫んでいるのです

あの闇の世界から
私に叫んでいるのです
悲しい声で
消えそうな声で
泣きながら
私に叫んでいるのです

小さな小さなつばめさん

どうしてあなたは泣いているのでしょう?
本当に語りあえる、分かり合えるあの人がいるのに
どうして泣いているのでしょう?

あなたに差し伸べられた手を掴み
一緒に飛んだ先にある幸せがこれなのですか?

あなたを愛しているというあの人は
あなたに何をしてくれたのですか?

あなたじゃない他の誰かの思いには
あの人は必死で答えているのに

あなたの思いにあの人は答えてくれたのですか?

あなたも心の奥底に秘めた思いがあるはずなのに
愛しているというあの人にそれを伝えることができないでいる

私の傍にいてほしい
私だけをみてほしい
他の誰かを受け入れないで
他の誰かの願いをきかないで

あなたはそんな思いを押し殺し
心の奥底にしまって生きている

あなたはそんな思いを押し殺し
あの人の可愛い、いい子で生きている

''いい子でいるよ・・・・''

''ちゃんといい子で待ってるよ・・・・''


あなたはそんな思いを抱え
あの人の可愛い、いい子で生き続けようとしている

いい子でいないと怒られる
いい子でいないと嫌われる
いい子でいないと構ってもらえない
いい子でいないと無視される
いい子でいないと捨てられる

だけど・・・・

いい子でいても気にかけて貰えない
いい子でいても私を選んでは貰えない
いい子でいても駄目なんだ
いい子でいても私の願いは届かない

でも・・・・

いい子でいないと愛しては貰えないから

私達は物心ついたその日から

そんな思いを抱えて生きてきたのです

そして
今も

これから先も
そんな思いを抱えて生きいくのでしょう
あなたを愛しているというあの人は
本当にあなたを愛しているのですか?
本当にあなたを必要としているのですか?

あの人はあなたを本当に愛してはいない
あなたを本当に必要としてはいない

だからここから消えましょう
だからここから逃げましょう

真実を知ったとき、私達の心は大きな悲しみで
押しつぶされて壊れてしまうから・・・・

あなたはまだここから消えたくないのですか?

本当に愛してくれているか分からないあの人の傍を
離れたくないのですか?

あの人があなたのためにできること
あの人が私達のためにできること

それはないのです

それでもあなたはあの人の
可愛い、いい子でいるつもりなのですか?

あなたがそうしたいなら
今までと同じように
過去の私と同じように生きたらいいでしょう

そして
あなたのためにできる事を探してくれるあの人に
こう伝えるといいでしょう

''いい子でいるよ・・・・'
ちゃんといい子にしてるよ・・・・
あなたと離れたくないから
傍にいたいから
嫌われたくないから
愛して欲しいから

いい子でいるよ・・・・

だから一緒にいるときだけは愛して欲しい
必要として欲しい
一番大事といって欲しい
私だけを見て欲しい

一緒にいるときだけでいいから・・・・
永遠じゃなくていいから・・・・

それがあなたが私にできることです・・・''と

小さな小鳥さん

あの闇の世界から
彼女が叫んでいるのです

私は自分の心の奥底を覗きすぎ
過去の私に出会ってしまった

私の心の中で
彼女の悲しみはあまりにも鮮明に
蘇ってしまった

小さな小鳥さん

誰か

誰でもいいから

どうか私を助けて・・・・